クール彼氏とツンデレ彼女


クラスマッチなんてどうでもいいって思ってたけど、初めて楽しみになってきた。



「可愛い彼女から上目遣いで頼まれたら、断れねえよなあ」



さっきの仕返しなのか、命知らずの水口は井下をからかった。



……えっと。


なんですと?



「余計なこと言うなよ、瑛斗!そんなんだから、瑠花に嫌われんだ!」



珍しく井下が慌てている。


井下は水口の頭を殴った。



あー、待って。


今、夏で暑いんだよね?


そうだよね?



え、なに?


私のところだけ気温上がった?



……わけないか。


うん、わかってる。



「なんだとー!」



そして私そっちのけで睨み合いをする男二人。



……ガキがいる。



付き合いきれないし、帰るか。



それに……これ以上ここにいたら、私の心臓もたないだろうし。



「待った」



すると、井下が私を引き止めた。



「送る」



……なんか、負けた気分。

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