クール彼氏とツンデレ彼女
私は体育館を出て、校舎裏に行った。
特に意味はないけど、なんとなく傷心を癒すには花かな、と思って花壇があるここに来た。
でも花を見ててもモヤモヤは消えなかった。
私はベンチに膝を抱えて座る。
花を見に来たはずなのに、私の視界は土でいっぱいだった。
すると突然、後ろから抱きしめられた。
「ひゃっ」
柄にもない悲鳴を上げてしまい、自分で引いてしまう。
「……見つけた」
耳元で、聞きなれた低い声がした。
「井下……?」
井下は手を放し、隣に座った。
「お前、俺を応援するんじゃなかったのかよ。なんで途中でいなくなってんの?」
「ご、ごめん……」
井下、怒ってる……
でも、当然だよね。
私が言ったから、井下はバスケをした。
それなのに……
「理由は?」
理由を、素直に言えない。
「島谷」
どんな言い訳をすればいいか悩んでいたら、これ。
正直に言うしかないじゃないか。