クール彼氏とツンデレ彼女
「今度はなに?」
なんとなく予想はつくけれど、ため息交じりに、違うかもしれないという希望を抱いて聞いてみる。
「お姉ちゃん、楽しいこと可愛いものが好きでね?」
ああ……予想通りだよ、もう。
頭を抱えてしまうほど、お姉ちゃんは自由人だ。
楽しそうでなによりだとは思うけど、私の友人が巻き込まれるとなると話は変わってくる。
「お願いだから余計なことはしないで……」
「ふふ、断る!」
満面の笑みで、お姉ちゃんは瑠花ちゃんたちのところに行った。
それも、スキップしながら。
もう、本当にあの人は私の姉なのかな。
「自由奔放だな」
「もう何度振り回されたことか……」
私は改めてため息をつく。
「浴衣もお姉さんが?」
「そう」
「じゃあ感謝しねーとな」
井下は瑠花ちゃんに押し付けられたゴミを捨てる。
「……なぜ」
「島谷の浴衣姿が見れたから」