クール彼氏とツンデレ彼女
「お姉さん一人?」
一人で大人しく待っていたら、二人の男の人が声をかけてきた。
……ここで浴衣効果ありましたよ、お姉さん。
普段の格好なら絶対にありえない、ナンパに遭遇。
正直井下以外の男なんてどうでもよくて、ため息が出てしまう。
「いえ、違います」
「嘘つかなくていいって。ほら、俺らと遊ぼうぜ」
男は私の腕を掴んだ。
おう。
異性に触れられるて、こんなに嫌な思いになったのは久々だぞ。
「やめてください」
とまあ、こう言ったところでやめてくれるわけないよね、わかってる。
だけど、逃げる手段が思い浮かばない。
掴まれた時点で逃げられるわけないし、逃げたとしても浴衣のせいで追いつかれるだろう。
さて、どうしたものか。
「やめてあげなよ。その子、嫌がってる」
すると、見ず知らずの爽やかイケメンがナンパ男の腕を掴んだ。
ナンパ男は私から手を離す。
「お前邪魔すんなよ!」
ナンパ男たちは彼を睨む。
「それは無理だなあ」