クール彼氏とツンデレ彼女
再会なんかしなきゃよかった。
本心すらも見えないイケメンには、用はない。
どうやったら離れてくれるかな。
井下がいいってのはさっき遠回しに言ったし……
はっきりとは、恥ずかしくて言えないし……
さあ困ったぞ。
「そうなんだよ、奏汰!もっと言ってくれよ!もっと可愛げのあるやつになれって!」
こいつ……味方ができたとでも思ってるのか。
……調子に乗って。
「水口がいじめるって、お姉ちゃんに言っとこ」
私がそう言い捨てると、水口は慌てた。
「なにも言ってません!だから、それだけは!」
「瑠花にも言っとくか」
さすが、井下。
私に便乗してくれた。
「くそ……やっぱりお前らなんか嫌いだー!」
水口は泣き真似をして、教室を出ていった。
「みんな仲良いんだよね……?」
須藤君は困惑した表情を見せる。
「さあ?」
私たちは声を合わせて首を傾げた。
「それに、噂で聞いた通り、二人が付き合ってるようには……」
その話題に行くか。
てか、言い難いなら言わなきゃいいのに。
「カップルってイチャイチャするためになるの?」
純粋な疑問だった。
須藤君は戸惑いの表情を見せた。