クール彼氏とツンデレ彼女
気にしていたのに、どうして言葉にしちゃったんですか、お姉様。
楓真は彼女に言われたとき、否定していた。
だけど、今までそうだったと知ると、私のこともそうなんじゃないかって……
「違いますよ」
楓真はまた、言い切ってくれた。
「ほう?今までとは違うと、どう証明する?」
私は安心したのに対して、お姉ちゃんは納得していないみたいだった。
「……なかなかに意地の悪いことを言いますね。俺がどれだけ真剣かなんて、証明のしようがありません」
そりゃそうだ。
気持ちの証明なんてできないだろう。
「でも、俺が不誠実なことをしてきたのは事実です。怜南さんが別れろ、というなら別れます」
「え……嘘、でしょ?ねえ、楓真……?」
「そうそう。いくら挑発されたからって、簡単に別れるなんて言うもんじゃないよ。紗知が不安にならないように、とか言ってたのは冗談なわけ?」
どの口が、言う。
「冗談じゃないと思いますよ。楓真と紗知ちゃんの間には、他人が入り込む隙間もありませんから」
……なんか、ごめんね、須藤君。
楓真をかばってくれたのは嬉しいけど、そう言われると照れる。