日常なままの境
彼の日常
今度こそはと気を付けて居たのに、また目の前から彼女が消えた。





あの時、ドアと共に消えた後どれぐらい経ったのか。
いつの間にか昇っていた太陽の光が差し込んだ瞬間、
俺はふと我に返り、駆けだしていた。

各地で、ドアが出現していることは数日前から耳にしていた。
情報も収集していたから、ドアを見つけるのは難しくはなかった。
ただ、そのドアを開けて向かった先に何があるのかは、調べ切れてなかった。
同じ場所へ行けるのか、そこはどこなのか。
でも、唯一の繋がりに縋るしかなかったし、自分の強運には自信があった。

祈るような想いで、彼女の誕生日にダイアルを合わせドアを開ける。
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