日常なままの境
自分で言うのもなんだし、こんな浮世離れした話あほらしいよな・・・
と思いながらも、必死に話した。

富士山の噴火から始まった世界、
彼女との出会い、二人の曖昧な関係、旅をした日々、
別れ、追いかけてきた事、ここで待ってた事、
今度こそは間違わないように過ごしてきた事。

最初は、嫌そうにしてた彼女だが、口をはさむこともなく、
困惑したり、照れたり、驚いたり、あの頃のように色んな表情を見せて、
話を聞いていた。

「ごめん、私・・・」

「責めたいわけじゃない。
 全部話してからじゃないと、信じてもらえないと思ったから。
 そもそも、この話が信じれるかどうかっていうのもあるけど。
 だから、思い出せなくても、忘れてしまっても、それはいいんだ。」
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