日常なままの境
「あ~、疲れた!」

「おかえり」

「・・・ただいま。なんか、まだ慣れないな」

「なにが?」

「家に誰か居るって事、おかえりって言ってもらえる事」

「そう?」

「うん。私は誰かと一緒に暮らせるとは思ってなかったから」

「彼氏いたのに?」

「うん。失礼な話だけど、居ないと寂しいけど、2日すると一人になりたかった」

「ほんと、失礼w」

「だから、そう言ってるじゃん!」

「でも、今はそうじゃないんだ?(ニヤニヤ」

「・・・うーん、どうかな。
 さて、お風呂入ってこよーっと」

「俺も入ろうかなー♪」

「入れば?私、ご飯食べる」

「ほんと、照れ屋さんだなw」

「照れていません!」

「はいはい、ほら、行くよー」

そう言って差し出された手を振り切る事はできず。

ご飯食べて、寝て、起きて、遊んで、
笑って、喧嘩して、泣いて、話をして。

これまで一人でしていた事を、二人でするのが普通になって、
気付いたら、二人じゃないと寂しく感じるようになって。

弱くなった自分に、少し不安や恐怖もあるけど。

そんな人に出会えた事、彼が諦めないでくれた事を噛み締めながら、
結局、今日も一緒にお風呂に入る。

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