日常なままの境
地下のドアは数日前に見つけていたけど、
どうも嫌な予感しかしなくて様子を見ていた。
悪い予感もしたけど、変わるならそこしかないという予感もあった。

ドアにはダイアル式の鍵が付いていて、
暗号とか好きで、夢中になって回している彼女の肩にふと触れたとき、
すごく嫌な感じが広がって、そのまま手が離せなくなった。

「なに!?」

「黙って」

そのまま、背中を撫でるも、
一瞬びくっとしただけで、すぐに鍵に夢中になった彼女に、
次第に苦しくなる胸の原因を知りたくて、意識がその場から離れた。

気付いた時にはドアが開いていて、
彼女は中に居て、ドアごと消えていく途中で。

「!!!!!!!!」

夢中で叫んだ名前も、次の瞬間には消えてしまった。
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