となりのキミと
うちの高校で5月といえば、球技大会。
つまり、仁が張り切る季節。
もちろん出場する種目はサッカーで、昨年は1年生ながら見事にクラスを3位に導いた。

今年はというと、クラス替えによりなんだか良いメンバーが揃ったらしく、その張り切りぶりは笑えるほどであった。


大会の日を1週間後に控えた土曜日。

「那奈、仁のクラスの練習見に行かない?」
美晴にそう誘われた。
珍しいことがあるものだと思った。
仁の気持ちに気づいていながら、美晴は気づかないフリをしている。
いつも仁の強烈なアピールをサラッと流して、クスクスと笑う。
わたしはそんな2人を、いい関係だと思う。

口では「仁なんてぜんぜん興味ない!ありえない!」って言うけど、たぶん私たち3人の関係を崩さないでいてくれているのだ。
美晴はそういうやつだ。
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