3月生まれの恋人
カーテンの隙間から射す光の眩しさに、そっと目を開いた。
朝?
体を起こすと、毛布の外のひんやりとした空気が、あたしの目を醒まさせる。
見慣れない・・景色
ここはどこなのだろうか?
そもそもあたし、いつのまに寝たんだっけ?
酷い頭痛を振り払って部屋をぐるりと見渡し、最後に自分の隣に目をやって
あたしは驚いて飛び上がった
『だっ!誰??』
セミダブル?だろうか?同じベッドの同じ毛布の中・・・蜂蜜のような明るい色の髪
誰かが寝てる!?
『ていうか、ここどこ??』
あたしの叫びに、寝ていると思われたその人物がぴくりと反応し、ゆっくりと頭を動かした
『あ゛〜、目ぇ醒めた?』
驚きで声すら出ないまま固まっていると、毛布の中から見知らぬ男が起き上がった
『き・・・きゃ〜〜っ』
むぐっ・・・
上げた悲鳴を大きな手に抑えられ、とっさに“殺される?!”と身構える。
『ちょっ、声デカい。』
“静かにして”
彼はそう言うと、あたしの口からすっと手を離した。
『もしかして全く記憶ない?』
あたしの顔を覗き込む男に、あたしはぶんぶんと首を縦に振った。