全力、青春。
「ねぇ、高校では卓球やんないの?」
ヤンキーくんの質問に、あたしは踵を返すように言った。
「やりません」
さっきとは声の調子が違うことにヤンキーくんは気付いたのか、少し驚いていた。
「助けてくれてありがとうございました。
では。」
あたしは校舎に向かってスタスタと歩き始めた。
…最悪だ。
何度も何度も繰り返し言われてきたセリフ。
「高校では卓球やらないの?」
「やらない」
あたしがそう答えると、決まって皆はこう言う。
「どうして?」