プロポーズ(第7話)
説明が終わると、四方が訊ねた。
「すると、オプション部分については、ぼくひとりで説明しないといけない、と?」
「そう」
「うーん、ちょっと苦しいですねぇ。だいたいはわかってるんですけど……。やっぱり成宮さんにはいてほしい」
「いてやりたいのはやまやまだが、なにせ、残業がな」
「んー……」
四方は珍しくまじめくさった顔で、なにか考えているようだったが、それもつかの間、わたしのほうをふり向いた。
「で、パソコンを操作するのが、友高さん?」
「ええ」
「おひとりで?」
「ええ、そうです」
「もうひとり、いりませんか?」
「ごめんなさい。今日はみんな都合がつかなくて」
わたしは部下のことで詫びた。
「でも、いれば助かりますよね? こちらからひとり、引っぱってきますから。あと、大きなディスプレイがあったほうがいいんじゃないですか? 大きな画面をみんなで見ながら、ワイワイたたき合えますから」
「はあ……」
「それもこちらから持っていきます。その間に、成宮係長?」
四方は成宮係長のほうを向いて、わたしに機械の基本的な知識をレクチャーしてくれるように頼んだ。