プロポーズ(第7話)
そして、5時の終業のチャイムが鳴った。
高木部長兼課長のもとに、特殊機械課のメンバーが集まり、終礼を行なった。
成宮係長とその部下たちも、もちろん参加した。
わたしは少し離れて、邪魔にならないように、立って見ていた。
成宮係長はもうこれで帰らないといけない。
あとは、四方と、わたしと、パソコン操作する人をひとり連れてくるというが、その3人でマニュアルを作らなければならない。
本当にできるのかしら?
わたしは不安でいっぱいになった。
終礼を終えた成宮係長がもどってきた。
「ホントに悪いんだけど、オレ、これで帰らないといけないんだ。まあ、四方がついていれば大丈夫だと思うけど」
「はい、なんとかがんばってみまず。レクチャー、ありがとうございました」
わたしは虚勢を張って、おじぎした。
そう。できないことを嘆いてもしようがないのだ。できることを全力でやるしかない。
わたしは悲壮な決意をした。
そのときだ。
「あー、間に合いましたね」
のんびりした声とともに、四方がもどってきた。