明日、彼女がいなくなる。
「また女?」


「女じゃねえーよ共演者」



実際に手を出したことは無い、うん。
こんな俺にも一応彼女はいるわけで。

申し訳ないって気持ちより、面倒臭いからって方が大きいけど。




「どっちでもいいけど。

あんたは今好感度が大事な時期なんだから下手に行動起こさないでよ」


「分かってるって」



そんな時コンコンと小さくノックが響いた。



はい、と答えると現れたのはさっきまで恋人だった女優さん。

確か俺と同じでモデル上がりだったっけな。




「あ、湊さんお疲れ様でした!」


「こちらこそお疲れ様でした。

すごく短く感じたなー、寂しいですけど楽しかったです」


「っ、私もです!

あの……この後って予定とかありますか?」


「この後?」




ほら、来た。

大体想像はしてたけど。


どうしようか、少し頭を悩ませる俺の顔色を見た彼女は俯いて唇を噛んでいる。




「いいですよ」


「えっ、本当ですか!」




そう嬉しそうに笑う笑顔の奥でマネージャーが眉間にシワを寄せているのが分かった。





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