かおるこ連絡ノート
「もういっぺん言ってみろ。柿本」

「何遍だって言ってやるよ!あんたみたいな腑抜け野郎のせいで、俺たちまで腰ぬけの卑怯者って……」


次の瞬間、柿本は殴られて床に倒れた。


「何、しやがる……」

「柿本っ!おめえまで、そんなこと言うのかよっ!俺だって、はらわた煮えくり返ってるんだ。それでも……親父が、おまえらのこと、実の子供みてぇに大事にしてた。俺なんかよりずっと。だったら、俺はおまえらのこと守るしか、できねぇじゃねぇかよ!」

「腑抜けと呼ばれてこそこそ生きるより、ぱっと仇を取って散った方がましだ!」


柿本は、床に胡坐をかいて、喚いた。

酔いが、回っていたのだ。

素面なら決して、二代目にぶつけてはならない言葉だと、わかっていた。


「あんたなんかに、跡目はとれねぇよ。坊。示しってもんをつけられねぇ男はよ、この世界じゃ、女の腐った奴と一緒なんだよ!」

言った瞬間、柿本は後悔した。

柿本を見つめる、傷ついた、瞳。


「本気で、そう思ってんのか?柿本」
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