かおるこ連絡ノート
二代目の言葉は、むしろ、静かだった。


「本気で、俺がそいつを殺ることが、親父への供養になると、思うか?」

「……」

「俺がやれば、組の示しってやつが、つくのか?」

「坊、すんません、今のはやつあたりでした。ざまあねぇや、堅気になるはずだった坊に、こんなこと言うなんて」

「俺がやらなきゃ、おまえが行くんだろう、柿本」


言って、二代目は、柿本の手からグラスを奪った。

ひと息に、日本酒を飲みほす。

ひどく噎せて、テーブルに両手をついた。


「坊……」

「やってやるよ。示しってやつ。どうせ、俺がいなくても、組はやっていける。堅気崩れの俺がいるより、幅が効くってもんだよな?」

「違う、坊、あんたにやらせたいわけじゃない。俺が」

「おまえは、うちの組に必要なんだよ。柿本」
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