かおるこ連絡ノート
考えるほど、思考が秀一を迷わせる。
鎮痛剤の麻薬が、秀一の思考力を奪っていく。
ふらつきながら、秀一は立ち上がった。
何があっても、勇次だけは、守る。
幼い頃から、できの悪い、けれど優しくて明るい弟が、秀一は好きだった。
勇次がいるだけで、家族が明るく過ごせた。
継母が家に来た後も。
人付き合いが苦手で、相手を萎縮させてしまう秀一には、勇次の暖かさが羨ましかった。
だから、失えない。
秀一が命の期限を切られてしまっている今、勇次までこの世界から失うわけにはいかないのだ。
秀一が死んだところで、そう悲しむ者もいないだろうが、勇次に何かあったら、父も、継母も、婚約者の紅もひどく悲しむだろう。
何より、自分より例え数時間でも早く勇次を死なせてしまうことは、秀一自身が耐えられない。
鎮痛剤の麻薬が、秀一の思考力を奪っていく。
ふらつきながら、秀一は立ち上がった。
何があっても、勇次だけは、守る。
幼い頃から、できの悪い、けれど優しくて明るい弟が、秀一は好きだった。
勇次がいるだけで、家族が明るく過ごせた。
継母が家に来た後も。
人付き合いが苦手で、相手を萎縮させてしまう秀一には、勇次の暖かさが羨ましかった。
だから、失えない。
秀一が命の期限を切られてしまっている今、勇次までこの世界から失うわけにはいかないのだ。
秀一が死んだところで、そう悲しむ者もいないだろうが、勇次に何かあったら、父も、継母も、婚約者の紅もひどく悲しむだろう。
何より、自分より例え数時間でも早く勇次を死なせてしまうことは、秀一自身が耐えられない。