かおるこ連絡ノート
銃声が、身体の中で、響いた。

秀一の胸を銃弾が貫通する。

床に叩き付けられるように倒れた秀一に、男が両手で銃を構えて、更に撃つ。
秀一の身体が、銃弾の爆発で、跳ねた。
胸と腹部から、鮮血が噴き上げる。

「殺してやる!よくも、コケにしやがって!」

警察達に取り押さえられながら、男が、我を失って、喚く。
急激な出血に、意識を失いながら、秀一は微かに、笑った。

これで、いい。

警察の目の前で、殺人の現行犯で逮捕されれば、余罪もあるこの男はおそらく無期懲役になる。
他の組織と噛み合わせて、弱体化させた今、この男が抜ければ、誰もこの病院には、勇次や家族には手を出さない。

病で死ぬより、役に立てて、よかった。
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