かおるこ連絡ノート
「おまえを、ここに連れてきてやりたいよ。L」

「それは、ごめんこうむりたいですね」


Lが、データを送ってくる。


「ワタリから、伝言です。気をつけてください、と」

「心配性だな、あのひとは」

「あなたがそうやってフィールドワークを続けている限り、危険も高いことは事実です」

「L。おまえだって、その場所で戦っていることは同じだろう。
今より、ほんの少しましな世界のために。
「ワイミーズのL」の名は、世界に轟いている。
俺なんかよりよほど、おまえのほうが危険だ」

「……あなたは、昔から変わりませんね、F」

「ん?」

「あなただけでした。
みんなが私を羨んだなかで、あなただけが、ワタリに忠告した。
私に、外の世界を体験させるべきだと」

「ああ。
そしたら、ワタリは「世界を知らないことが、Lを強くするんです」って笑いやがった。
俺が、粛清覚悟で言ったのにな」

「あなたがそうして、フィールドワークをしていることが、罰なのかもしれませんね」

「ワタリは、俺達に罰なんか与えない。
知っているだろう。あのひとは、究極の、傍観者だ」

かすかに、地面が揺れる。

それを体感ではなく、地面に仕掛けた感知センサーで、Fは気付く。

この波動は、大型のトラックだ。

おそらく乗せているのは、人間だけではない。
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