諦めたけど好きです


「とりたくなる」


彰先生はそう言うと、顔を近くしてそのまま……………



「ストーーーーーップ!!!!」


『バチンッ!』


「…………………………」

「…………………………」

「………………いてぇ」

「………………すみません」


また私の悪い癖がでた。

恥ずかしくなるとすぐに手がでてしまう。

おもいっきり彰先生にビンタしちゃった!


「………だって彰先生が変な冗談を…」

「冗談ね……まぁいいけど…ほら」

彰先生がハンカチをくれた。

「それで涙ふけ。」

「あ、ありがとうございゴフッ!!」

「!?どうしたんだ!?」

「……彰先生!!なんでハンカチの柄がハムスターなんですか!?」

彰先生がくれたハンカチには可愛いくていっぱいのハムスターがいる。

誰でも吹き出すよこれ…………

「え!だって可愛いじゃん!ハムスターはマジで天使だろ!」

「いやギャップありすぎですよ!突っ込むところが満載!」

「…………………だって可愛いもん」

子供見たいにちょっとすねてる。


彰先生が可愛いな………………じゃなくて!


「ハンカチありがとうございます。明日洗ってかえしますね。」


「…いつでもいいぞ。」

まだすねてる。

「あと…助けてもらってすみません。」

「…別に頼んだの俺だし。っていうかお前と一緒にきたやつらは、なんも仕事してないな。」

秀達のことを言っているんだろう。

「女が危ない目にあってるのに、なんで誰もいないんだ!」

「……トイレに行くって…」

「はぁー。使えないなーあいつらは。」

彰先生はそう言うと、私の頭にポンと手をおいた。

「まぁ、今日は買い物ご苦労さん。暗くなるからすぐ帰ろよ。」

「……はーい。」

彰先生は手を降って店を出てった。

すると、今度は秀達が戻ってきた。

「あれ?まだ会計終わってないの?」


「…………………………」

「?那奈どうしたんだ?」

光樹が私の顔を覗きこむ。

「おーい。那奈?!!!?」

「わぁぁぁ!見ないで!」

私は必死に手で顔を隠そうとしたがもう遅い。

「…顔赤っっ!」

「えぇ!熱でもあるの?那奈?」

「大丈夫か?」

3人が質問してくるが、答えれない。




「近所のお兄ちゃん見たい」って聞いてたけど、本当だ……

ヤバい………私、頭ポンポンされるの好きかも…


「……なんでもない…」


「「「なんでもなくない!」」」

「何があったの?」

海里が聞いてくる

………逃げ場がない…



そして私は、今あったことを話した。


「「「マジか!」」」

3人とも驚く。

そして…


「俺はこんなやつナンパしたくもない。」

「目悪かったんだな。」

「ナンパって可愛いからじゃなくて、尻軽そうだからされるんじゃなかったっけ?」


……こいつら…


3人のみぞおちに、鉄拳。


「「「すいませんでした。」」」


「よろしい。」


「……でも。」

秀がみぞおちを押さえながら、言う。

「なんで先生は那奈が俺たちと来てるのを知ってたんだ?」

「へ?」

「いや、だって俺達は先生とあってないし那奈は先生に言われるまで、俺達のこと話してないだろう。」

確かにそうだ。
彰先生が言うまで、私は秀たちのことを話してはいない。

「えっと…探してるときに見かけたとか?」

「それなら、その時渡してるだろ。なんで先生は俺達がいないときに来たんだ?」

3人で少し考えてると、海里が

「………俺達がいないとき………ってつまり、那奈が一人の時でしょ。だから二人っきりで会いたかったんじゃない?」

「??」

ますますわからない。なんで私と二人っきり?

………………………あれ?

「なんで秀と光樹固まってんの?」


「………………………」

「………………………」

応答なし。

いったいどうしたんだ?

「…おーい。秀?光樹?おーい!!ってなんで海里はニヤニヤしてんの?」


「いーや。別にー。」

なんで楽しそうなんだ?






ー次の日ー


『キャァァ!』

びっくりした。

昨日私が買ってきた、ドラキュラの衣装を来てほしい!と言うので来たらなぜか歓声。

「カッコいい!」

「強そう!!」

「ちょっと血吸ってほしい…」

などと声が聞こえる。

私も一応女の子なんだけどな……

「……光樹。何やってんの?」

「!!」

光樹は受付役の狼男だ。


けど……

「光樹が来たら、犬にしか見えないぞ!!」

「う、うるさい!!ってちょっと待て。ひもが絡まって……」

衣装の着方がわからないのか、こちらから見たら完全にひもで遊んでる犬だ。

「わぁぁ!助けてくれて那奈!」

「どうなったらそうなるんだ!?」

ぐちゃぐちゃだなもう…

めんどくさいが助けようと近づくと…

「そんなに助けを求めるなんて、可愛いワンちゃんだね」

おおっと海里登場。

「なんでお前がいるんだよ!」

「助けを求めたからには、やめてと言っても離さないよ?」

なにいってるんだこいつは。

「那奈!助けてくれて~!」

「ねぇ、那奈!写真撮って!!」


……ほっとこ。


そう思った矢先に、ガラガラっと扉があく。

「楽しそうなことやってるな。俺も混ぜろ!」

「彰先生!?」

海里と、光樹が確答してるなかに彰先生がダイブした。

「先生!俺と光樹の愛の巣に入らないでよ!」

「………ちょっ誰かマジで助けて…」

光樹が苦しそう…ぁ…ひもが喉に絡まってるな


どうしよ。彰先生にハンカチかえそうと思ったが近づけないな…

「……あの彰先生!ハンカチを…」

「おい!那奈もこっちこい!」

「へ!?ちょっ…」

男3人のなかに引き釣り困れる。

「んーーーー!!!」

海里は光樹にしがみつくし、光樹は死にそうだし先生はなんかやってるし…それに密着度がすごいぞ!!


なんとか逃げようともがいてると、私の頬に何かあたった。

横を見ると先生の顔がすぐそこにある。

「……ジャムか…」

「へ!?」

「いや、甘い臭いがしたからつい…」

このどさくさにまぎてれて、何やってるんだこの人は!!

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