諦めたけど好きです
片思いは作戦実行中
ある日。夢を見た。
その夢は「秀が○○ちゃんとキスしたって!」
という騒動からはじまった。
悲しくて切なくて、
起きたら泣いていた。
たまに思い出す。
あの日、秀にフラれて大泣きした日のことを。
私は…本当に頑張ってもあの人と……………
そしてそんな夢を見た日。
いつも通り学校に行った。
本当にいつも通りだった。
それなのに…
「………こっち来てませんよね…」
「……たぶん…」
私は、いや私達は今掃除道具箱の中の隠れています。
ー30分前ー
「あぁー!!ダリィー!」
「…うるさい。文句言うなら手を動かして。」
私達は文化祭のお化け屋敷の準備を押し付けられた。
ルアー二人でやっても全然進まない。
そこに、
「なにやってんの?」
「わぁ!光樹くんだぁ!どうしたの?二人とも」
キラッキラの笑顔の海里と、いつも通りカッコいい秀が教室に入ってきた。
「文化祭の準備だよ。…押し付けられちゃった。」
私は秀を見る。 ここで必殺!上目遣いを発動だぁ!昨日テレビでこれをやると可愛く見えるって、言ってたもんね!
「ふーん。じゃぁ手伝うよ。」
あらー。目も会わなかったわ。
「あ、俺も!」
海里はちょこんと光樹の横に座った。
…………あれ?ちょっと待って?この状況は…
『意外な一面を見せてポイントup作戦』が、実行出来るのでわぁ!? →作戦の内容は9ページで!
そして私達四人は、準備を進める。
そしてまた…
「おーい!どこまで進んだぁ?」
彰先生だ。
「先生ぇ~!終わりませんよ全然!手伝ってくださいよ!」
彰先生の方に光樹はゴロゴロ転がってった。
そしてそれにときめく海里。
「…でもこれは肩こる作業だな。」
秀は肩をまわす。
「……ふっふっふっ。そんなことだろうと思ったぜ!!」
なんだなんだ。いきなり。嫌な予感が…
『ジャジャーン!』
「先生お手製!"元気100倍!スーパードリンク"だぁ!」
ドンッ!と机に紙コップと瓶をおいた。
…なんかアンパ○マンの決め台詞的なドリンクが出てきたぞ。
しかも、色がこれは危ない物ですよーみたいな色をしてる。
「わぁ!やったぁ!俺喉かわいてたんだ!」
「いただきます…」
秀と海里が勢いよく飲んだ。
「どんどん飲んでねぇ!」
「……彰先生。このドリンクには、何が入ってるんです?」
「えっとねぇ。白ワインとテキーラと、牛乳と豆乳と養命酒と……」
「あっ…………」
「うぐっ!……」
うめき声が聞こえる。
嫌な予感とは当たるものだ。
「ちょっ、大丈夫!?秀!海里!?」
「先生これ大丈夫なんだよなぁ!?」
光樹がそう言うと、その口がふさがれた。
「ひゃ!」
彰先生が変な声をあげる。
私もそんな声を出しそうになる。
「…ん!」
「ハァハァ。光樹くん……」
男同士のキスは見ても、ドキドキしないということがわかった。
そして明らかに正気じゃねぇ!
「!秀は…」
秀が気になり、見たら…
「…ふはははははははははははははははははははは!!」
「!?」
「ふははは!力が、力がみなぎってくるぞ!もう誰にも俺は止められないぞぉ!ふははは!」
あれ?なんか元気になってる?
「我が子の左手は悪魔に呪いをかけられた左手だぁ!この手は世界滅亡の鍵となるのだぁ!」
中二病化した。
そして秀は暴れだした。
ちょっとまずい……
「おい!那奈、逃げるぞ!この二人正気じゃない!」
「いや、正気じゃなくしたのは誰のせいでしょうかねぇ!?」
彰先生が、私の手を引っ張ってく。廊下をもうスピードで走る
あ………光樹忘れた。
「どこかに隠れるぞ!」
ーーーー
そして、イマココニ。
「なんであんなドリンク作ったんですかぁ!材料が普通じゃないじゃないですよ!」
「アホ!先生はあれで元気になってたんだぞ!」
「体がおかしいですね!?」
「気がついたら、病院にいたときもあったぐらいだ!」
「もう、その時点でヤバいドリンクだと気付けぇ!」
『ガタガタ』
……あれ?
なんか、外からガタガタって聞こえるな?
「ふはははははははは…」
誰がきたかすぐにわかった……
ヤバい………次はドンドン聞こえるな?
誰かお助けください。