【短】Wonderful Moment
彼の作ったファイルは、私にとってとても分かり易く、使い易かった。

そのお陰で、プレゼンテーションは凄く上手く行き、先生からの評価も高かった。
やればできるじゃないか、と頭をぽんぽんと叩かれる程に。


私はふとそこで、なんで彼はこんなにもスーパーヒーローみたいに、私の危機を救ってくれるんだろう?と思った。

そして、どうして私のことをそこまでして助けてくれるんだろう?とも思った。


1つ謎が生まれると、2つ3つと浮かんでくるのが人間だ。


一体、彼の思考と行動はどんな回路になっていて、どんな風に繋がっているんだろうか?


「…何かお礼しないと…!」


初めての達成感に浸っていた私は、ハッと気付いていそいそと彼の元へと足を向けた。

きっと、今日もあの場所にいると思うから…。
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