隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜


結局、、圭くんを面倒な事に巻き込んで、手を煩わせて本当に最悪だ。


これ以上迷惑にならないように素直に頷いた。






更衣室で着替えを済ませ、外に出ると待ち構えていた彼から直ぐに手首を掴まれて車まで引きずられるように連れていかれた。

そして助手席に乱暴に押し込まれた。





車内ではピリピリとしたオーラを放つ彼。


終始無言の姿に、涙が滲む。





迷惑をかけた私が泣くなんて絶対に駄目だと分かっているのに、一度もこちらを見てくれない彼の横顔を見て、とうとう涙が溢れた。

不意にこちらを見た彼が、泣いている私を見て目を見開いた。







「、、、なんで泣いてるの。もしかして俺が怒ってるって思った、、?」



困った表情を浮かべる彼の手が、ゆっくり顔に伸びてきて優しく涙を掬った。


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