隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
「好きなんかじゃ足りない。」
頬を伝う涙に優しくキスを落とされて、耳元で囁かれた。
『俺は晶帆を愛してる。』
触れてくれる手がいつも以上に優しくてドロドロに溶かされて、身体が、、思考が麻痺していく。
私達は、本物の恋人だと麻痺してしまう。
自らも彼に手を伸ばす。
彼にもっと触れたい。
もっと彼の温もりを感じたい。
お互い何も身につけていない身体で何度もキツく抱きしめ合う。
彼と深く繋がって、彼が動くたび首元のお揃いのネックレスが揺れる。
それだけで涙が止まらなくて、今までに感じたことのない幸福を感じる。