隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
「今からか?今日はちょっと、、。」
普段余り聞かない砕けた話し方の所を見ると仲のいい相手のようだった。
何処かへ呼び出されたようだが、圭くんはそれを拒否しようとしているのを聞いて慌ててベットから降りて下着を素早く身につけた。
それを見ていた圭くんが、何か言いたそうな顔をしていたが見て見ぬフリをした。
そして電話の邪魔にならないようにと小声で言葉を掛けた。
笑顔を貼り付けて。
「長居してごめんなさい。私は帰るから気にしないで行って?」
すると通話中にも関わらず、携帯を耳から離し真っ直ぐとこちらを見た。
『、、声、聞こえてたよね。相手は女だけど、それでも晶帆は行っても平気だっていうの?』
何処か責めた言い方をする圭くんに胸が締め付けられたが、その視線から目を逸らして呟いた。
「平気だよ?だって私達は偽りの関係だから、、それを止める権利なんて私にはないよ。、、、だってそうでしょう?」