隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜














『晶帆っ、、!!!!!!』




後ろで彼が叫ぶ声が聞こえたが、振り返らずに階段を駆け上がり部屋に飛び込んだ。

ベットにダイブして布団を頭から被る。





ドアを乱暴に叩く音がして、チャイムが何度も鳴るが恐怖で動けない。


あんな彼、知らない。


だって彼はいつだって、穏やかで優しくて大人で余裕もあって洗礼された男性だ。




それなのにあんな冷たい表情の彼は、私の知る彼とはまるで別人で乱暴で野生的なオトコの顔をしていた。


戸惑いで涙が止まらない。





チャイムとドアの叩く音が止んだと思ったら、今度は携帯の着信音が部屋に鳴り響く。


切れてはまた鳴りを繰り返す。



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