隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
バックから携帯を取り出し電源を落とした。
そんなに必死に最後に彼は何が言いたかったんだろうか。
彼はあからさまに何かに怒っていた。
勿論、原因は私だと思うが怒らせるような事を言った記憶がない。
彼にあの電話が掛かってくるまで、夢のような時間を過ごしていた。
一緒に海に出掛けて、お揃いのネックレスを買ってそれから初めて彼の家に招かれた。
何度も好きだと言われ、優しく抱かれた。
グズグズに溶かされて甘やかされて、、そんな幸せな時間だった。
そこから一気に突き落とされたような感覚。
もしかしたら別れを告げようとしていたのかもしれないと、今冷静になって考えるとそう思えてきた。