隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
「ふふっ、、可愛いっ。こんにちわ、初めまして。」
小さく声を掛けると、寝ていた天使が目を覚ましてこちらをじっと見て来た。
その大っきな目に吸い込まれそうだ。
「先輩っ、、!赤ちゃん起きちゃいました。どうしよう!?泣いちゃうかもっ、、。」
「そんなに慌てなくても大丈夫よ。親バカかもしれないけど、さっき名前呼ぶと笑ってくれたんだよね。まだ分かって笑う月齢じゃないらしいんだけど。」
「笑う天使みたいですっ、、!お名前は何ちゃんですか??」
「清香(きよか)にしたよ〜〜。2人の名前を1文字ずつとってみたの。ありきたりかもしれないけどねっ!」
少し照れたように笑う先輩がとっても乙女で可愛いと思った。
たしか先輩の旦那さんの名前は清治(きよはる)さん。
歴代の受付嬢の中でも1、2の人気を誇った先輩を射止めたのは、あまり目立たない容姿の取引先の男性だった。