隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
言葉に出したら、急に現実に引き戻されて彼が今その女性とホテルで会っていると思うと胸が痛い。
「私には彼しかいませんけど、圭くんはそうじゃないって分かってます。経験だって豊富じゃないし、いい加減飽きてしまったのかもしれません。」
こんな事言われても困ると分かっているが、一度口に出したからか本音がどんどん漏れてきて優しい先輩はその本音に静かに耳を傾けてくれる。
「好きになっちゃいけない相手を好きになるってこんなに辛かったんですねっ、、。お付き合いした方は圭くん以外だと2人いましたけど、あんなの全然違ったんだって今頃気づいてしまうなんて、、本当に馬鹿ですね私って。そんな2人に身体を許せなかったのはきっと〝本物の好き〟じゃなかったからだってようやく分かりました。」
ボロボロと泣く私に、先輩は優しく頭を撫でてくれた。
「、、、今頃、自分の気持ちに気づいちゃったの?まぁ、女子校だと恋に恋しちゃうっていうもんね。3年間、心も身体も許せた相手なんだから本気で好きな相手だって決まってるじゃない。」