隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
俯きながら本音を漏らし、ふと顔を上げると驚いた顔をした光がこちらを見ていた。
『、、、何だよ。』
「お前、、なんて顔してんだよ。お前がそんな顔する日が来るなんて、あの頃は全く想像も出来なかったわ。てか、何で彼女と喧嘩した訳?俺が原因って?」
「っお前が電話してくるまでは、かなりいい雰囲気だったんだよ、、!晶帆も俺の事、少なからず好意を持ってくれてると思えた。、、初めて晶帆の口から我儘も聞けた。お揃いのネックレスも買いあってその日は俺の部屋に泊まってさっきまで一緒だった。」
「我儘がそんなに嬉しいかねー?てかお前が女に何かプレゼントする事とかあったんだな。で?俺が電話して来て、晶帆ちゃんが女から電話だって勘違いして喧嘩になったか?〝この浮気者ー!〟てきな?」
最後の言葉だけ、わざと女口調。
昔は1番ウンザリしたそのセリフが晶帆から無かったことがこんなにイライラしてしまう自分に呆れる。
嫉妬して欲しかった。
怒って欲しかった。