隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜


「、、まっ!それはいいとして、、。こっちまで届いてるよ〜〜?受付の姫様が今日は何処か心ここに在らずだって。もしかしてあの日、何かあったの?それともただ単に王子が出張なのが寂しいだけ?」

「莉子ちゃんも知ってたんだ、、出張の事。」




確かにあの日、逃げ出したのは私だ。

日曜にあんな事があった際で朝から少し気まずさの中に会社に来てみれば、噂話で彼の出張の話を耳にした。

話すタイミングはいくらでもあった筈なのに彼の口から出張の事を告げられることはなかったのだ。

噂によるとなんとその期間は2週間。



そんな長い出張なんて初めてで、どんな顔で彼に会えばいいのか、、どんな風に接したらいいのかと心配していたがそんな心配は無用だった。

2週間という長期出張さえも、知らされることもない偽りの恋人なのだ。



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