隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
「、、それ只単に誰かに取られるんじゃないかって気が気じゃなかっただけだと思うけど。うん、そっか。、、続けて?」
最初の方に小さな声で何かを呟いた光さんの言葉は聞き取れなかったが、静かに耳を傾けてくれる優しい光さんに本音が止まらない。
「最初は〝偽りの恋人〟なので社内でだけ関わっていたんですが、私達を外で全く見かけないって噂になってからは仕事終わりに食事に出かけたり、私の部屋で一緒に過ごしたり共に過ごす時間が長くなりました。そしたら自然と、、そういう流れになって、、今までの誰よりも触れる手が優しくて、、、労わるような、、仕草に涙がでそうで、、愛されているんじゃないかって、、、勘違いしてしまいそうで、、気づいたら、、、、こんなに好きになってしまい、、ました。」
「でも、そんなに好きならこのままじゃダメでしょ?行動に起こさなきゃ。」
「、、はい。彼が昇進するまでに探さなきゃ駄目なんですが、なかなか見つからなくて。」
光さんが顔を傾げながら、キョトンとした不思議そうな表情を見せた。