隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜





「お気をつけてお帰り下さいませ。」


勿論、笑顔も忘れずに。





人の気配がなくなり顔を上げると、松本さんが腕を組んで仁王立ちしていた。





「ま、松本さんっ、、!お疲れ様です。先程はありがとうございました。大変助かりました。」


慌てて先程のお礼を伝えると、松本さんは少し不機嫌そうな表情を浮かべた。






「、、西村さんはもう少し危機感を持った方がいいと思う。あの人のモノだっていう自覚が無さすぎる。はっきり言えばいいんだよ。営業部の津川 圭の彼女だって。、、仕事の用事で津川さんから連絡あるけど毎回最後に西村さんは大丈夫かって聞いてくるんだよ。本当、、あの人西村さんの事溺愛してる。〝絡まれてた〟なんて伝えた日にはすぐ不機嫌になって仕事がやりにくいわ。だからもっとハッキリと断れよ。あんたがそんなんだから津川さんが余計心配するんだ。あの人にこれ以上心配かけんなよ。」


「すみませんっ、、、!気をつけます。本当にご迷惑をお掛けして申し訳ありません、、、。」





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