隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
この会社に入った頃は、ずっと1人だった。
仲のいい同期もおらず、仲のいい先輩もいなかった。
何処にも居場所がなくて常に距離を置かれていたのを覚えている。
それが莉子ちゃんが声を掛けてくれて、こんなにも仕事に行くのが楽しみになった。
受付に異動になって支えてくれたのは莉子ちゃんで彼という偽りの恋人が出来るまで、何度も莉子ちゃんが助けてくれた。
でも、、、本当は知っていた。
私と仲良くすればするほど莉子ちゃんも陰口を叩かれるようになっていった事。
莉子ちゃんは気にしていないといつも笑ってくれたが、その笑顔をみるのが辛かった。
私の所為で大切な莉子ちゃんが傷つくのが本当に嫌だったから。
それだったら莉子ちゃんと退社するまでこのままの方がいいかなと思った。