隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜


どうにか辿り着いた受付には、既に真美ちゃんの姿があった。




「真美ちゃん、おはよう。」

「、、、おはようございます。」


そんな後ろ姿の真美ちゃんに普段通り声を掛けるが、振り向かれることはなく淡々とした口調で返事が返ってきた。

そんな真美ちゃんの横顔を見て、ようやく自分の置かれた立場を理解した。





普段通りの生活なんて、、、送れる筈がなかったんだ。


大勢の人を長い間、騙していたのだから。

その罰を受ける時がやってきたのだ。



それからは覚悟を決めて、業務に取り組んだ。




泣く事なんて許されない。
勿論、今は逃げ出す事も許されない。

私に課せられたのは、この環境の中で辞めるその時まで働き続けるという、、罰だ。




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