隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜


朝からシャワーを浴びる。


身体の至る所に彼が付けたであろう赤い痕を見つける。

彼とこういう関係になって、次第に数が増えているような気がする。

それだけじゃなく、付けられた場所も前は見えない所だけだったのに最近では際どい所ばかりで困ってしまう。


人前に立つ仕事である事もそうだが、休憩やトイレ、化粧直しの鏡でチラッと見えてしまうと行為の激しさを思い出して仕事どころじゃなくなる。

彼にそれを付ける意味なんてないのだろうが、まるで所有物のようなその痕に嬉しいだなんて思ってしまう。

そんな赤い痕を他人にからかわれる事もしばしばだが、睨み付けられる事だって日常茶飯事だ。






彼は私とこういう関係になるまで、不特定多数の女性と関係があった。




今でも社内、社外ともに不動の人気を維持している。



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