隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
最初はあからさまな嫌がらせを受けたが、軽い怪我をきっかけにそれも突然止んだ。
きっと彼が何か言ってくれたのだろう。
あの謎のゲームに巻き込まれた憂鬱な日々から、助け出してくれたのも彼。
彼には本当に助けられてばかりだ。
あの日から好きが加速するばかりで、止まる事を知らない。
そろそろ気持ちを隠して一緒にいることに、限界を感じている。
田舎に住む両親からは、結婚を催促するような言葉ばかりでウンザリだ。
彼との未来なんてないのに。
鏡に映る虚ろな目をした自分と目があって慌てて髪を梳かしハーフアップに結んだ。
それからお気に入りのシュシュを付けて下がっていた気分を上げる。
濃過ぎず薄過ぎずに化粧をしたら完成だ。