隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜


借りているアパートは、比較的に会社の近くで運動も兼ねていつも歩いて出勤している。

庶務課の頃は、ヒールの低いパンプスを使っていたが、受付の先輩から色々と指導を受け今では太めのややヒールの高いパンプスを使っている。


言葉使いに服装、髪型や化粧、それからアクセサリーに至るまで厳しく教育して頂き、寿退社した先輩にはとても感謝している。

最初は綺麗すぎて少し怖い印象もあった先輩とも徐々に打ち解けていき、退社した今でも連絡も頻繁にとっている。







そういえば、その先輩は彼と同期だった。


そろそろ赤ちゃんが生まれる頃。

御祝いの品物を今度の休みの日に買いに行こうと思い、何を買おうか考えていると後ろから強めに肩を叩かれた。










「晶帆、おっはよ。そんなにぼーっとしちゃって、何か考え事?」




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