隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜


振り返ると、そこには同期で庶務課勤務の山下 莉子ちゃんの姿。




彼女とは同じ高卒で庶務課に配属され、席も隣だった事もあって自然と仲良くなった。
艶やかな黒髪のショートカットで所謂クールビューティというやつだ。

物凄い美人なのに男らしい一面も持ち、とてもサバサバとしている。

昔から何かと女性から距離を取られがちな私にも優しく接してくれた。




部署が離れてもランチも一緒で、仕事終わりにも飲みに行くし互いのアパートにも泊まり合う仲だ。




だから勝手に親友だと思っている。







「おはよう、莉子ちゃん。今日も朝から元気だね〜。ほら、芹香先輩がもうすぐ予定日でしょ?早めに出産祝い買わなくちゃって思って。」

「だからそんな悩ましい顔してたのね。恋煩いかと思うほど表情がセクシーだったけど?」


「やだ、莉子ちゃんてば、冗談ばっかり。」

「いやいや、冗談じゃないから。何気なくついた溜息も色っぽいよ?そんな疲れた顔しちゃって、、あっ!さてはー、、?」




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