隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
その勢いが怖くて咄嗟に目を閉じると、触れられた頬。
「、、っ、、、こんなに痩せてっ、、!!1人で抱え込んでっ、、私は、、寂しいよっ、、!!生まれて初めて出来た親友だって思ってたのは私だけだったのっ、、、?」
莉子ちゃんの悲痛な叫びに、大粒な涙がテーブルに落ちていく。
本当は怖かった。
ずっと社内に味方なんて居なくて、居場所なくて何処にもなくなって独りだった。
社内で唯一の居場所が莉子ちゃんの隣でそれを失うのが怖かった。
私だけが勝手に莉子ちゃんを親友だと思っている気がして怖かった。
正直、会社を辞める事に怖さはなかった。
1番の恐怖は莉子ちゃんの隣を失う事だった。
私の唯一の心の拠り所だったから。
立ち上がって、莉子ちゃんに抱きつく。
「っ、、ごめんなさいっ、、!相談もなにもせずにっ、、。莉子ちゃんの事、、大事だから!だから言えなかったのっ、、、。私の所為で莉子ちゃんが何か言われるのが耐えられなかったから!!!私のプライベートな事で、、親友の莉子ちゃんを巻き込みたくなったっ、、。」
泣きながら言葉をかければ、しっかりと抱きしめ返してくれた。
「そんなの寂しいよっ、、!相談して欲しかったよ!!!プライベートな事だろうと何でもいいよ!だからちゃんと私も巻き込んでよっ、、、。」
「っ、、、うんっ!、、うんっ、、ごめっ、、。」
もう泣きすぎて店内から凄い視線を感じても、そんなの気にもならなかった。