隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
2人で大泣きして、少し落ち着いた所で店長さんが遠慮気味に声を掛けてきた。
「落ち着いたかな〜、、?美女が抱き合って泣きじゃくるのもなかなか絵になるけど注目浴びすぎてるよ〜?そんだけ泣いたら喉も渇いたでしょ。何飲む?クールな莉子ちゃんの珍しい姿も見られたし、今日はご馳走するよ。何でも注文していいからね!」
優しい店長さんの言葉に、現実に戻って2人して席に着いて真っ赤になって俯く。
ちらっと前に座る莉子ちゃんの方に視線を向けると、莉子ちゃんもこちらの様子を伺っていてお互い真っ赤な顔で目が合うとなんだが可笑しくて笑ってしまった。
莉子ちゃんも同じように感じたらしく、結局2人で笑い合った。
店長さんのご厚意に甘えて、久しぶりにアルコールで乾杯した。
それから一連の話を莉子ちゃんに話した。
私の話に静かに耳を傾けてくれて、話し終わると凄く叱られた。
でもそれが涙が出るほど嬉しかった。
2人して大分アルコールが回ってきて少し呂律が回らなくなってきた。