隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
「晶帆っ!!目覚めた?!?!具合はどうっ?!?!?凄く顔色が悪かったから本当は病院に連れて行きたかったんだけど、晶帆が死んだように眠ってたから、、。」
「莉子ちゃん、、心配かけてごめんね?こんなにお昼寝したの初めてで、もうスッキリ。だから心配しないで?」
「取り敢えず、今から迎えに行くから少し待ってて?すぐ準備するから!」
「迎えだなんてっ、、!大丈夫だよ!?」
「晶帆が大丈夫でも私が大丈夫じゃないの!!いい?!そこから動かないでよ!?」
「莉子ちゃんっ!落ち着いて?私ならっ、、あっ、、、。」
少し興奮気味の莉子ちゃんをなだめようとしていると、急に手から携帯が無くなった。
頭上に人の気配を感じて顔を上げると、津川さんが私の携帯を手にしていた。
「もしもし?山下さん?俺、、津川だけど西村さんなら責任を持ってちゃんと送り届けるから心配しなくていい。」
「、、、、。そんなに心配なら20分後に西村さんに連絡するといいよ。ちゃんと送り届けておくから。じゃあ、そういう事だから。」
何故か津川さんが私の代わりに莉子ちゃんと電話でやり取りをして、そのまま切ってしまった。
そして携帯を返された。
「じゃあ、山下さんが心配するから帰ろう。車正面に回してくるから帰る準備しておいて?」
それだけ言うと颯爽と医務室から出て行った。