隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
「何か聞きたいことでもあるの?さっきから視線が気になるんだけど。」
「すみませんっ、、!あの、、あの後、大丈夫だったんでしょうか、、?あれだけ騒ぎになってしまって、、私は、、クビなんでしょうか、、。」
俯きながら小さく呟くと、津川さんの優しい声が耳に響いた。
「西村さんがクビになる訳ないでしょ。あれだけ毎日真剣に受付業務に取り組んでるのをちゃんと上層部は知ってるよ。勿論、俺もね?だから西村さんが気にすることないから。それに君の上司も2、3日休んでもいいって言ってたよ。心身ともに疲れてるみたいだからって。」
津川さんの優しい言葉に、莉子ちゃんにも話した事のない心の内に秘めていた本音が漏れてしまう。
「、、正直、会社を退社しようかと迷っていて、、私が受付にいると何かと会社の雰囲気が悪くなってしまうみたいで、、。今回の件でその気持ちが一層強くなりました。」
「、、西村さんは何も悪くないのに?」
「私がいけないんですっ、、!華がある訳でもない私が受付嬢をしている事がいけないんです、、!!!私なんかが、、っ、、。」
感情的になり過ぎて声を上げてしまうと、驚いた表情を浮かべた津川さんと目があって思わず目を逸らした。