隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
莉子ちゃんがここまで介抱してくれた事がわかって、また涙がこぼれた。
「莉子ちゃん、、ありがと。大好き。莉子ちゃんのお陰で決心がついたよ、、。」
眠る莉子ちゃんに小さく呟いて、時計を確認する。
まだ出勤するには時間があるのが分かって布団を綺麗に掛け直した。
そして物音を立てないように、キッチンへ向かい朝食の準備を始めた。
退社するのを躊躇していた理由は、勿論圭くんと離れるのが辛いという事もあったが会社を辞めてしまえば、莉子ちゃんと繋がりが無くなってしまうんじゃないかという恐怖もあった。
でも気づいたんだ。
たとえ仕事を辞めようとも、莉子ちゃんとの繋がりは切れたりしないんだって。
私が莉子ちゃんを大切に思っているように莉子ちゃんも私を大切に思ってくれているという事が分かったから、、退社する決心がついた。
朝食を作り終えて、リビングにそれを運んでから莉子ちゃんをそっと起こす。
「莉子ちゃん起きて、、?遅刻しちゃうよ。」
「んっ、、ごめん。爆睡してた?晶帆、、、少し顔色が戻ったね。なんかスッキリした顔してる。」
「うん、、莉子ちゃんのお陰でね、、決心がついたの。だから本当にありがと。」
「、、決心って?」
怪訝な顔をしながらソファーから起き上がった莉子ちゃんに笑い掛ける。