隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
この制服が着たいが為に、受付を希望する人も少なくないと言う。
8割以上が寿退社していく歴代の受付嬢達の噂も広まり、ここの受付は女子の憧れらしい。
常に2人体制で狭き門ではあるが、早い人は1年もしないうちに寿退社して行く。
よって次々と受付嬢は変わっていく。
きっと可愛い真美ちゃんもあっという間に、幸せを掴んで退社していくのだろう。
その中でも5年目になる私が受付の勤続年数、最長記録の保持者だ。
首元にスカーフを巻いて、鏡で服装の最終チェックをする。
頬を叩いて気合いをいれ、ロッカーを出た。
すれ違い様に、同性からの冷たい視線を感じながら早足で受付へと向かう。
これもいつもの事で、あれだけ人気のある彼と恋人同士である限り当然の風当たりだと思う。