隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜


「電話は、営業からでした。私が行きたいのは山々なんですが、上からの指示ですので先輩お願いします。この書類を営業課長まで。」

「え?営業までって、、、もしかして真美ちゃん、、気を遣ってる?私はいいから真美ちゃんが行ってきて?ほら、うちの営業はみんなイケメン揃いで有名だよ。折角お近づきになれるチャンスなんだから。」






笑いながら書類を押し返すが、更に強い力で押し付けられた。


「ここに先輩を1人残す訳にはいかないんですっ、、、!もうっ、、察してくださいよ!!!津川さんに怒られる私の身にもなって下さいっ!はい!!お・ね・が・い・し・ま・す!!!」


受付のカウンターから凄い剣幕で追い出され、仕方なく営業へと向かった。







滅多にこない営業部。

中を覗くとデスクについている人は殆ど居らず、皆忙しそうに立ちながら電話の応対やパソコンを叩いている姿が目に入って、声を掛ける事に躊躇してしまう。


< 41 / 330 >

この作品をシェア

pagetop