隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜


すると1人の男性がこちらに気づいてドアの方に向かってきた。


「あの、お忙しい所申し訳ありません。受付の西村です。、、、津川課長はいらっしゃいますでしょうか?頼まれていた書類を代わりにお持ちしたのですが。」





少し緊張しながら長身の男性に声を掛けた。


あまり見たことがない男性。

自分よりも随分若く見える。
もしかして新卒の人かな?


そんな事を考えて男性をマジマジと見つめながら言葉を待っていると勢いよく手を握られた。




「ひゃっ、、!」

男性の行動に驚いて、声を上げてしまう。




「受付の西村さんですよねっ、、!?やっぱり近くで見ると本当に可愛いくて綺麗ですねっ!ずっとこうして話をして見たかったんです!!!まぢ俺みたいな下っ端には高嶺の花ですからっ。俺、今年の春から営業に異動になりました!吉村です。宜しくお願いしますっ!!!」



握られた手が痛いくらいに上下に揺さぶられ、苦笑いを浮かべる。



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