隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
すると耳元で彼が囁く。
「、、相談したい事があるっていってただろう?昨日聞きそびれたから、、昼に社食で。」
そういって優しく微笑んでくれた。
社内恋愛は禁止ではないが、彼の立場もあるので仕事とプライベートはきっちり分けたいと彼にはお願いしている。
それなのに、彼に触れられただけでグラグラと崩れそうになってしまう。
慌てて距離を取って、頭を下げる。
「そ、それでは書類は確かにお渡し致しましたので私はこれで失礼します。」
彼の顔を見らず、彼の返事も聞かずに、急いで営業部を後にした。
それからバクバクと煩い胸を押さえならが受付に戻り、顔を引き締めて午後までの業務をどうにかやり遂げたのだった。